【1代目ネゥト】最終話

neuto81
10日。今日は待ちに待った私とアルヴィンの結婚式。
今日ばかりは遅刻出来ないし、いつもより1時間早く起きて身支度を整え神殿に向かったの。
それなのに、やっぱり既にアルヴィンは神殿に来ていた。しかも誰よりも早く。
きっと、一生かなわないんだろうな……なんて。ふと思った。
神殿に入ってきた私に気がつくと、フッと柔らかな微笑みをくれて。私もそれに答えるように微笑み返した。
そのまま言葉は交わさず、お互い衣装に着替える為に奥へと向かった。
『それでは、これからアルヴィン・リードとネゥト・コターマの結婚式を行う。新郎、新婦前へ…』
その声とともに一歩踏み出すと、そこには真っ白なタキシードに身を包んだアルヴィンが手を差し出していた。
一瞬、目が眩むような感覚がして足を止めると、アルヴィンがゆっくりとこっちに向かい、私を導いてくれた。
その手を取り、顔を見つめると小さく「綺麗だよ。」と囁いた。
「アルヴィンも…」
すごく素敵よ……って言いたかったのに、胸がいっぱいになって声にならず、唇だけがそれを伝えようと動いていた。
目頭が熱くなるのを感じて顔を歪ませると、アルヴィンがさっきよりも強く手を握って「行こう」と祭壇へ向かった。
『どんなにつらくても 二人で助け合って 幸せな家庭を築くことを誓います。』
私は「ネゥト・リード」と名乗ることを決めた。
拍手に包まれながら新居へ向かう途中、客席にゴタの姿が見えた。あんな別れ方をしたのに……拍手をくれる姿に少し胸が痛んだ。
あなたと出会って、短い間だけど恋人になって過ごしたこと。今では無駄ではなかったと思う。それがなかったら、きっと今の私、そしてアルヴィンとの関係もなかったんじゃないかと思う……
『ありがとう』の気持ちを込めて、精一杯の笑顔を贈った。
「結婚した途端もう不倫?」
驚いて振り返るとちょっと拗ねた顔のアルヴィンが私を見下ろしていた。
「もう!!そんなんじゃないってば!!アルヴィンのヤキモチやき!!」
「どうせ僕はヤキモチやきですよ……じゃあ僕も女の子たちに愛想振りまいておこう…」
「ちょっ…ダメだってば!!!!」
……何はともあれ、私たちは今日から夫婦なのよね♪
帰る場所も一緒のお家。
これから……ずっとずっと一緒にいられるんだよね……v

【1代目ネゥト】76~80話

neuto76【第76話】
3日。今日からDリーグの試合が始まる。私はアルヴィンの応援にコークショルグに向かった。
アルヴィンが試合してるのを見るのは初めてだわv
あ、でも応援自体初めてか。去年は応援したいと思える程の知り合いもいなかったし。
アルヴィンってどんな試合するんだろう?よく浜を走ってる姿見たけど、結構俊敏な動きとかするのかしら?
………そういえばアルヴィンは「ジマの力」の持ち主なのよね。そう考えるとじっくりと攻めていくのかしら?
「赤コーナーアルヴィン・リード選手!!」
審判の声とともに、真剣な面持ちのアルヴィンが入場してきた。
「アルヴィン!!頑張ってーーー!!!」
そして鐘の音が鳴り、試合開始!!
アルヴィンは積極的に手を出すわけではなく、ガードしつつ、相手のスキを見つけて技を繰り出していく。
見ててちょっとヤキモキしちゃうよ!!!
もっと、こう!!!バシバシ~~!!!っと手を出して行けばいいのに!!!
そんなこと思ったりもしたけど、アルヴィンは着実にポイントを稼いで勝利した。
ま、終わりよければ全て良し?ってことで。


neuto77【第77話】
4日。今日もアルヴィンは試合。
相変わらず、ガードしつつの攻撃にはがゆい想いで応援した。
相手の人は上手く体術を使ってアルヴィンの魔術ガードを破ってきた。
そうなると一転。あっという間に相手にポイントを許し、アルヴィンは惨敗してしまった。
「もーーアルヴィン!!あれじゃダメよ~~!!もっと積極的に攻撃しかけていかないと!!!」
「うん……まあそうなんだけどね。」
「何よ!!ハッキリしないわね~」
アルヴィンは一つため息をついて。
「……やっぱり、相手が痛そうにしてるの、見ていられなくて……勝つことより、そっちの方が気になってしまうんだ。特に、今日は年配の女性相手だったし……」
「……もう、アルヴィンってば……」
そういう優しいところ、すごく好きだなって思うけどさ……
「……ねぇ、明日デートしよっか?」
「うん!!いいよ。大通り南で待ち合わせだね。」
アルヴィンの呑気な顔見てたら、なんだか毒気抜かれちゃったから……
こうして腕くんで歩けることに、ふと幸せに感じたから……今日は許してあげる。


neuto78【第78話】
やっぱり、ちょっとは考え改めた方が良いんじゃないかと思うんだけどな……;
あれから、アルヴィンは全敗。来年は外リーグになってしまうことが確定した。
それでも呑気に…
「まあ、仕方ないよ。僕には武術は向かないってことなんだろう。」
なんて言うしまつ。
「アルヴィンが良くても私がよくなーーい!!!もう、すっごく悔しいよ!!!もう少し積極的に手を出してれば絶対勝てた試合だったのに!!!」
そうだよ!!あと一発決まれば……!!あの試合にも勝ててもCリーグに行くのは無理かもしれないけど、Dリーグに残るくらい出来たかもしれないのに……
「まあまあ、落ち着いて。折角の美人が台無しになる。」
「うっ!!!そっっそんなことで、ご、誤摩化されないんだからっ!!もう!!///」
「そうだね。ネゥトはこんな言葉じゃ誤摩化されないよね(満面の笑み)」
「…………!!!」
なんか、ものすごく負けた気がするんですけど!!!
あ~~~もう!!!この憂さは自分の試合で晴らしてやるーーー!!!


neuto79【第79話】
9日。とうとう来たわよ!!私の初試合の日が!!!
朝は早くからコークショルグに向かい、一人静かな闘技場で精神統一をはかっていた。
やがて時間になり、待合室へ。名前を呼ばれて前に進む。
試合の作戦は前々から決めていたの。素早い動きが得意な私は、大技を繰り出すより軽い技(エアスラッシュ)で相手の動きを封じて魔術で防御する。訓練も頑張ったし、絶対勝ちたい!!!
戦い慣れてそうな相手を見ると怯みそうになるけど……でも……!!
ふと応援席から飛ぶ声援に聞き慣れた心地よい声を感じた。
アルヴィンが見に来てくれてる。
その声があたしの心に迷いを無くした。
開始の合図とともにエアスラッシュを繰り出す。
(相手に攻撃する隙なんて与えてなるものか!!!)
不思議と体が軽く、次々に技が決まる。
時折体を痛みが走ったけど、気にせず攻撃を続け、気が付くと審判の声で試合は終了した。
「KO!!ネゥト選手の勝利です!!」
「きゃ~~~vvやったぁ♪」
初試合で初勝利&KOだなんて上出来な結果よね!!
応援席のアルヴィンにも手を振って、上機嫌のまま闘技場を後にした。


neuto80【第80話】
「どうよ、見た?私の勇姿を!!」
「ちゃんと見てたよ。ネゥト、すごく格好良かったよ。」
「うふふ~んvもっと褒めて褒めてv」
「そうだな……うん、エアスラッシュを繰り出すネゥト、猫パンチしてるみたいだった。」
「ちょっ何それ!?それ褒めてるの?」
「クスッ……褒めてるんだよ……ほら、手元が見えないくらい鋭い動きだったってことだね、うん。」
「……バカにされてるような気がする……ま、いいけど~」
試合後、その興奮から仕事に集中出来なかった私は、家に帰りお風呂に入って……
ほどなくして、仕事を終えたアルヴィンが家を訪ねてきたので、二人でお茶をしていた。
「やっと……明日だね。」
「え?……明日?………!!ああっ!!明日結婚式じゃん!!!」
「……忘れてたの?あんなに早くこいって言ってたのに……」
「いや~~んv今日は試合のことで一杯一杯だったから~~vもう!!すごく嬉しいよ♪」
「……本当かな…」
「本当だよ!!!やっと寂しい一人暮らしからおさらばできるし!!!アルヴィンともず~~~っと一緒にいられるようになるし……ね?夜だって帰らなくていいんだよ?」
「…………っっ!!…///…な、何言ってるんだよ!!!……まったく……僕もとんでもないのに引っかかっちゃったものだよな……」
「とんでもないので悪かったわね~~だ!!!フン!!」
アルヴィンはクスリと笑って、そっと私の頭を撫でてから立ち上がった。
「……もう帰るよ。明日遅刻しないようにね。」
「え!?もう?もう少しいてよ~!!」
「家族との挨拶や荷造りしなくちゃいけないし。明日までの我慢だね、お互い。」
「…………わかった。明日ね。」
明日からアルヴィンとの生活が始まる。
これからのことを考えると、嬉しさと、緊張と、期待と不安が入り交じって胸が一杯になる。
今夜は眠れそうにないな……

【1代目ネゥト】71~75話

neuto71【第71話】
25日。今日はワクト神殿で結婚式が行われてる。
「私も今日この日に式をあげたかったな……」
折角二人で生きてゆく約束したのに、まだまだ一人暮らしをしなくちゃいけないだなんて寂し過ぎるよ。それに今日は私の誕生日でもあるのよ………!!!
悔しいから絶対見に行ってやるもんか!!!(腐)ふんっ!!
今日は久々(?)に浜を思いっきり走りに行こう。あと湖に行って泳いで……神殿にも冷やかし訓練行ってやろうかしら………(悪)
まあ、それはさすがに常識はずれだしやめておこう。
ヤーノ市場で買い物して、一頻り訓練。その後温泉に入って気分はスッキリしたんだけど、寂しさは変わらなかった。
やっぱり、どんな訓練もこの気持ちばかりは埋める事ができないらしい。
私はアルヴィンを探しに走り始めた。


neuto72【第72話】
28日。今日は午後から仕事納めがあるから、朝一番でアルヴィンの家へ向かった。
というのも、婚約したということで、アルヴィンの家族に挨拶をするためなの。お母様は早くに亡くしたそうだけど、お父様とお兄様がいらっしゃるとか。気に入ってもらえるか、なんだか緊張しちゃうわ。
「ごめんくださ~い」
と声をかけたら、小走りする足音が聞こえてアルヴィンが顔を出した。
「いらっしゃい。さ、入って。お待ちかねだよ。」
「えっホント!!やだ緊張しちゃう……」
「そんな堅くならなくていいから。」
そう言ってアルヴィンは私の肩を抱いて家の中へと招いてくれた。
「紹介するよ。ボクの婚約者のネゥト。」
「は、初めまして!!私、アルヴィンさんと婚約させていただいたネゥトと……」
「おっす、ネゥト!!」
「よく来たなネゥト。さ、こちらに…」
「まさかネゥトだとはな~!!」
………ん?そういえば、この顔って……
「……あれ?父さん、兄さん達…ネゥトのこと知ってたの?」
「知ってるも何もな……」
「ほぼ毎日会ってるしな~…」
「そうそう、夕方にな。」
…………………やっぱり(汗)
「毎日、夕方?なんだよそれ!!まるでデートに誘いに行ってるみたいじゃ……」
「そ~~~だよ、毎日誘ってるんだよ……なぁ?」
「オレだって何度誘ったかわからないくらいだぜ?」
「僕だってそうだよ。ずっと好きだって想い続けてるのに……」
「……………(汗)」


neuto73【第73話】
「そ、そうだったんだ……あ、はははは………」
「笑ってる場合じゃないぞ、アルヴィン!!!」
「オレのネゥトと婚約だぁ?一番末っ子のくせに生意気だぞ!!!」
「僕は絶対許さないからね!!!」
「ちょっ…ちょっと父さん!!兄さん!!!落ち着いて!!!」
「これが落ち着いていられるかーーー!!!(怒)」
あ~~らら~~;大変、親子喧嘩になっちゃったわ~;……なんて呑気なこと言ってもいられないか……;どうにかしてアルヴィン助けないと…………よし、ここは女の武器を使ってやりますか!!!
「やめて下さい!!!お父様、お兄様!!!」
「お、お父様!?」
「お兄様…!?」
「私とアルヴィンが結婚したら、マリウシュさんはお父様、ジャムさんとブランドンさんはお兄様になるってことですよね?」
「ま……まぁそうなるか……」
「あぁ……」
「………私、両親とは不仲で……しかも一人っ子なんです。だから、こんな素敵な方たちが私の家族になるのかと思うと、今からとても嬉しくて仕方ないんです。」
「そんな……ネゥト、そんな風に思っていたんだ……」
「でも、皆さんが私を認められないって言うなら……私……」
「……ああ、ネゥト!!泣かなくていいから。私たちが悪かったよ。な?」
「ああ、オレたちのことは本当の家族だと思っていいから。」
「そうだよ、ネゥト。君みたいな妹なら大歓迎だよ!!」
「………本当ですか?私、すごく嬉しいです!!!」
*************************
「ねぇネゥト。さっきの話本当なの?両親と不仲って……」
私とアルヴィンはゆっくりと歩きながら仕事納めに向かっていた。
「本当なわけないでしょ!!!両親とは仲いいし、兄弟なら弟3人、妹2人いるわよ!!恋人だったらそれくらい見抜きなさいよね!!」
「………ネゥトが演技上手過ぎなんだよ……;」
「なによ~!!あたしはアルヴィンを助けようと必死だったのよ?感謝されてもいいくらいだと思うけど~!!」
「……ボクはなんて恐ろしい人と婚約してしまったんだろう……この先不安だ(滝汗)」
ふ~~んだ!!!そんなこと言ったって、もう一生離してやんないんだからね!!!覚悟してなさいよ?アルヴィン!!!


neuto74【第74話】
30日。とうとう今日で今年が終わる。
昨日、選挙の帰りにアルヴィンをデートに誘ったの。
「あ~あ。結婚式まだかな?」
「ははっ甘い新婚生活が待ってるんだね。」
「もう待つの嫌よ~!!ねぇアルヴィン。今夜一緒に年越そうよ~!!」
「……ごめんネゥト。今年が最後の家族との年越しだから……」
「ちぇ~~っ!!いいもん、一人寂しく縛睡してやるから!!!」
「来年からはずっと一緒にいてあげるから……な?機嫌直して。」
来年じゃ嫌なんだもん。今年の今夜寂しいんだもん!!
「………じゃ、この赤パン頂戴。」
「……………………は?」
「この赤パンをアルヴィンだと思って笑うから♪ね?だからこれ頂戴v」
「こ、コラ!!引っ張るんじゃない!!(汗) 駄目に決まってるだろ?何を考えてるんだネゥト!!!」
「なによ~~!!!ダメだダメだって、あたしのこと好きじゃ無くなったのね!!!」
「そんなわけないだろ!!!」
アルヴィンはあたしの肩を引き寄せて、瞼と、頬と、唇にキスをした。
「………これで許してくれよ……」
「アルヴィン……」
「嫌。赤パン頂戴!!」
その夜、どこかからかむせび泣く声が聞こえたという…………


neuto75【第75話】
491年1日。新年あけましておめでとう!!
今日から新しい年♪外リーグ1位だったあたしは、今年から試合ができる。アルヴィンはDリーグだから、恋人同士て試合することになるのかな~
………なんて思っていたら、なんと私はCリーグ5位になっていた。どうやら去年はコークショルグの人がたくさんの人が亡くなったみたいで、繰り上がりでこんな順位になってしまったみたい。
アルヴィンと試合できなくてちょっと残念なような気もするけど……まあラッキーだったと思っておこう。
でも、試合経験なくてCリーグまで上がっちゃったから、周りの強い人たちにコテンパンにされないようにしっかり訓練しておかないとね!!
それから、ウルグに行って仕事道具は幸運のサオを買った。去年は鉄のサオを使ってたから、きっと使いやすいんだろうな。
家に帰ってスケジュール帳の確認をすると、10日にベルのマークが付いている。
アルヴィンとの結婚式まで、あと9日。
待ち通しくて仕方ないよ。
早く、一緒の家に暮らしたい。いつでもその顔を眺めていたいよ。

【1代目ネゥト】66~70話

neuto66【第66話】
19日。昨日のこともあって、ちょっとテンションが上がらない。
なんか、後味悪いっていうか……
「おはよう、ネゥト」
あんなことがあった後だとは微塵も思わせない程、アルヴィンは爽やかな声で挨拶をしてきた。
「おはよう……なんか元気いいね……」
「そう?まあ、僕的にはいいことがあったからね。」
「何よいいことって?あたしは不快なこと極まりないわ!!」
何よ!!アルヴィンってこんなに冷たい奴だったっけ?
「……これで僕は堂々とネゥトの恋人だって胸を張れるかなってさ。」
「えっ……」
「……ゴタさんの存在がどんなに脅威だったかなんて、きっとネゥトにはわからないんだよ。」
アルヴィンはちょっといじけたように向こうを向いてしまった。
……そうだよね、ずっと不安だったよね。
あたしっていっつもそう。自分の感情ばかりで周りの人の気持ちに気づけないの。だから友達少ないのかな……
「……ごめんね…」
「……ネゥトがあやまることじゃないよ。ただの僕のヤキモチなんだから。……ごめん、誤解させたね。」
「ううん。あたしが悪かっ……ああ゛っ!!!」
「……?どうしたの?ネゥト。大声あげて。」
あたしの視線の先には…………頭に不幸の雲を付けたあの人がいた。


neuto67【第67話】
「ごっごっごっゴタだ!!!な、なんで?今まで一度も仕事場に姿現したことなかったのに!!!!!」
「本当だ……珍しいね。」
「何をのんきなこと言ってるのよ!!!当てつけよ!!きっとフラれた当てつけに威嚇しに来たのよ~~~!!!」
「ははっ、まさか。単に気が向いただけだろう?」
「だって前に「仕事しないの?」って聞いたら「面倒くさいから嫌い」って言ってたんだよ?それなのにおかしいじゃん!!」
「だとしても、別にかみついてきやしないだろう?大丈夫だよ。」
「そんなのわかんないじゃないの~~~」
不幸の雲を頭に付けたゴタは、慣れない手つきながら仕事をしていた。
アルヴィンの言う通り何をしてくるわけじゃなかったけど、なんか怖かったからあたしはアルヴィンの陰に隠れながら仕事をした。
******************
後日談。
休日が明けてからの数日間もゴタは仕事場に姿を現していた。
そのたんびにあたしはアルヴィンに隠れてた。
だって……やっぱり不気味なんだもん;


neuto68【第68話】
20日。今日は愛の日。
あたしはどうやらエナの子コンテストにエントリーされてるらしく、早速会場へと向かった。
神殿前は今か今かとコンテストの開始を待つ人々でごった返していた。その人の群れの隙間をかいくぐり、待機場所へと移動した。
さすが魅力高い人たち。みんな素敵な人たちばかりだった。
ミスプルトが取れるかはわからないけど、アルヴィンが投票してくれればそれでいいかなvって思っていた。
……が……
開始の合図と共に視界が塞がれるほどの人の波にあたしは埋もれていた。
「あなたに投票します!!!」
と投票札を渡してくる人たち。
もう、誰が誰だかわからなくなっていた。
アルヴィンの声もした気がするけど、その姿を捉えることはできなかった。
本当にもう………辛……(泣)
コンテストが終了する頃には疲労でぐったりしていた。
その甲斐(?)があってかあたしはミスプルトに選ばれた。
一緒にエントリーされてた人が
「明日から大変よ!!男性の集団に追われることになるわよ。頑張ってね」
と笑顔で忠告してくれた。
………っていうか、すでに追われてるんですけど………(汗)…あれ以上になると!?


neuto69【第69話】
21日。今日はアルヴィンとデートv
昨日、コンテストの後に誘ったの。
アルヴィンに話したいことがあったから……
「あたしね……つくづく思うんだけど。」
浜に向かいながらあたしはゆったりと話始めた。
「この国に一人で移住してきて、何にもわからなくて、友達もいなくて……そんな時アルヴィンが仕事のこと教えてくれたじゃない?すっごく嬉しかったなってさ。」
「うん。」
あたしの話を遮らないように、アルヴィンは静かに相づちを打って耳を傾けてくれた。
「ゴタと付き合ってて、上手くいってなくて。落ち込んだりしてた時親身になって励ましてくれてさ………暴走も抑えてくれるし。あたしアルヴィンがいない時ってどうやって生きてきたんだろう、て思うのよ。」
一つ深呼吸をしてアルヴィンを見つめた。
「あたしにはアルヴィンが必要なの。ずっと……一緒にいて欲しいの……駄目かな?」
アルヴィンは穏やかにゆっくりと微笑んだ。
「駄目じゃないよ……僕もネゥトがいないと死んじゃうよ。」
「ちょっ!!!それは大げさじゃない?///」
「でも、本当だし。愛してるよ……」
なんでこう、アルヴィンって恥ずかしいことさらっと言っちゃうんだろう。……でも、あたしも同じ気持ちだよ。
そう答えるのが照れくさかったから、あたしはそっと口づけをした。


neuto70【第70話】
22日。今日もアルヴィンとデート。
アルヴィンに促されてアイシャ湖へと向かっていた。
なんだか今日のアルヴィンは無口で、妙に手に汗をかいてる。今更緊張してるの?
それぞれ更衣室に入り、着替えを済ませて湖に行く。背後に気配を感じて振り向くと、そのには赤い海パンに身を包んだアルヴィンの姿があった。
「………………」
「……どうしたの?ネゥト。変な顔して。」
「……………ぷっ」
もう駄目、我慢できない!!!
「ぶ~~~~っ!!!あはははははは!!!す、すっごい!!!だめぇ~~~~~~!!!」
「え?何?何か可笑しいことあったの?」
「アハハハハ……だっだってアルヴィン、赤パン!!!可笑し過ぎる~~~!!!!!」
「あ、赤パンって……ショルグ色なんだからしょうがないだろ!!!///」
「そ、それにしたって!!!あははははは~~~っおなか痛い~~~!!!」
「…………もう、頭きた。」
「えっ………」
アルヴィンは爆笑しているあたしをおもむろに抱き上げた。
「ちょっちょっとアルヴィン!!!何!?」
そんなあたしの言葉も聞かす、アルヴィンはあたしを抱き上げたまま湖へと入った。そのまま、あたしを湖の中に立たせるとホッペをむにっとつまんだ。
「あ、あるふぃん……あにすんのお~~」
「……まったく。今日僕がどんな気持ちでここに誘ったと思ってるんだよ。」
「ふえ?」
頬をつまんでいた手を離すと、そのまま肩においた。
「ネゥト、僕と結婚して下さい。」
「……………え?」
「聞こえなかった?」
そっか………だからアルヴィン、すごく緊張してたんだね。
「聞こえてたよ………うん。幸せな家庭を作ろう。一生、一緒にいたい。」
そうしてあたし達は結婚式の予約を取るべく神殿へと向かった。
なのに…………
「信じらんな~~~い!!!なんでいっぱいなのよ~~~!!!」
「まあ、仕方ないよ。しばらくの我慢だね。」
「そんなのヤダ~~~!!!」
そう、予約をしたのはいいものの、25日は予約がいっぱいであたしたちの式は来年の10日となってしまったのだ。
年越しが一人でだなんて、そんなのないよ~~~!!!!

【1代目ネゥト】61~65話

neuto61【第61話】
15日。今日はウルグでお祭りがあるらしいの。特に予定もないし、私はリムウルグに行くことにした。
ここでは性格判断をしてくれるみたい。私は「とても積極的な人」と言われたわ。まあ、そうだとは思うけど。
次はバハウルグへ。ここでは占いをしてくれるんだって。
「バスの浜で願いを叫んでみよ。願いがかなう……かも。」
なんだかハッキリしない言い方ね~
………
……思えばあたしはいつもバスの浜で走ってたわ。『いい男見つけてやる!!』とか『素敵な恋人が欲しい!!』とか叫んでたし。
……叶ったってことなのかな?
…………そういえば、アルヴィンも嫌なことがあるといつも浜で走ってたって言ってたわよね。だからよく浜で会ったし。
アルヴィンはあたしのことを想う気持ちで悩んで………あたしと恋人になりたい……とか、叫んだりしてたのかな?
「………っ!!!!」
なんか急に恥かしくなってきた!!!もう考えるのはやめよう!!
次!!!ガアチ行こう!!!
「とても異性に好かれる名前ですね。もて過ぎて困るほどでしょう。」
ぐはっ!!!………確かに困ってるわ……(汗)
あの集団に毎日追いかけられて、いい加減疲れてきたし。
でも、褒められるのは素直に嬉しいかな。


neuto62【第62話】
17日。昨日朝一番でアルヴィンに誘われて、今日はデートvv
またもや待ち合わせにはアルヴィンの方が先に着いてた。一体何時に家出てるのよ?
「アルヴィン!!おはよ♪」
「おはよう、ネゥト。はい、お手。」
「うんv」
ぽぷっとアルヴィンの左手に右手を乗せてからはっとした。
「ちょっとアルヴィン!!!あたしは犬じゃないんだからね!!!」
「あはははは!!!ちゃんとできたね。偉い偉い。」
「も~~~!!!」
どうもあたしはいっつもアルヴィンにからかわれているような気がする。
ずるいよ。「お手」した手をしっかり繋いで歩き出すから、あたしはそれに負けてしまうじゃない……
「ネゥトはいつも素敵だね」
「えっ!!何よ急に!!///」
「いつも夕方会いに行くと男性陣に囲まれているだろう?それだけ魅力的だってことだけど、僕はちょっと不安になるよ。そんなネゥトをつなぎ止めておく自信はないから……」
あたしは頭がかーーっと熱くなるのを感じた。
「何言ってんのよ!!!アルヴィンだってすっっっっごく素敵だよ!!!このあたしがね、毎日アルヴィンのことばっか考えてるのよ?それに初めて会った時だって格好いいって……」
一瞬目の前が暗くなった。
気がつくとあたしは、アルヴィンの胸の中にいた。その腕が小刻みに震えてるのを感じて、胸の奥がキュウっとした。
「バカ……」
想いが伝わるように、あたしはアルヴィンを抱き締め返した。


neuto63【第63話】
18日。今日もアルヴィンとデート。
アルヴィンってば毎日かかざす誘いにくるんだもの////
「ネゥト、今日はバスの浜に行こう。」
「うん!!れっつご~♪」
ーーバスの浜は、訓練する人もいなくて、静かに波の音を立てていた。
「ここに来るといろいろ思い出すね。」
「うん。あたしたちが初めて会った場所だしね。……他にも、たくさん。」
ここでは苦しい想いを巡らせてばかりだったけど、でも……
「アルヴィン。いいものあげるから、目、つぶって?」
「うん……」
あたしはアルヴィンの首を引き寄せて、そっとキスをした。
「ネゥト……っ////」
「これから、楽しい思い出たくさん作ろうね。」
「………そうだね……」
あたし達は寄り添って、ぼうっと海を眺めていた。
*********************************************************
ーーー仕事が終わり、家に入ろうとしたその時、後ろから声をかけられた。
振り向き、その姿を見た瞬間、あたしは恐怖に似たような感覚に包まれた。


neuto64【第64話】
「ゴタ……」
「ネゥト、久しぶりだね。元気にしてた?」
「う…うん。」
恐い。
あの日から、顔を見ることさえできない。できることならもう会いたくなかった。
……あぁ、あたしってこんなに弱い人間だったんだ。
体がカタカタと震え出してくる。
ーーーアルヴィン……助けて………!!!
「ネゥト、明日デートしよう。」
「…………あ、あたし………」
「ん……?何?」
震える手をぐっと握りしめ、お腹に力を入れる。
「あたし、あなたより愛する人が……できたの……」
「……………え?」
「だ、だから、別れましょう。……ごめんなさい。」
しばしの沈黙が流れる。
ゴタの手が、わなないているのが視界に入った。この後どうなるのかと考えると、恐くて体が動かなかった。
「ふん!!!僕だって別れようと思ってたところだよ!!!」
その言葉を聞いた瞬間、体中の震えが止まった。


neuto65【第65話】
「な……なんだと~~?それじゃ、デートになんか誘いに来んなーーー!!!!」
ボクッ
あたしの放ったヘヴィブルースがゴタの左頬にヒットした。
「こっちは罪悪感で押し潰されそうになってたっていうのに、言うにことかいてなんじゃそりゃーーー!!!!」
あたしが再びゴタに掴み掛かろうとしたそのとき、両肩を後ろから押さえられた。
「ストーーーップ!!!ネゥト、やめろ!!!」
「アルヴィン!!止めないでよ!!!あ、あたし、すっごく悩んだんだよ?なのに……」
アルヴィンに頬を拭われて、大量の涙が流れていたことに気が付いた。
「そうだな……たくさん悩んだよな。……でも、今はきっとゴタさんの方が傷付いてるはずだよ。」
「え……?」
振り向くと、頭に雲を付けたゴタが、トボトボと歩いていた。
「振られて、その勢いでつい言ってしまっただけなんじゃないのか?」
「……………」
『ーーゴタ、ごめんなさい。あたしにはやっぱりアルヴィンが必要みたいです。あなたも、もっと優しくて芯の強い、いい人を見つけて下さい。』
アルヴィンの胸に顔を埋めながら、あたしはそんなことを想った。
「まったく……僕は猛獣使いにでもなった気分だよ。」
「わ~るかったわね~!うが~~っ」
そうして夜は更けていった。

【1代目ネゥト】56~60話

neuto56【第56話】
13日早朝。私はまだ鐘の鳴っていない、誰もいないリムでぼんやり釣りをしていた。
……私……アルヴィンと付き合うことになったんだ……
昨日まで友だちだったのに……。だけど今は……
イマイチ実感とか、現実味というか。
とにかくわけがわからないとは確かか。
こうしてここにいたら……そのうち……
「おはよう、ネゥト!随分早くから仕事してるんだね!」
「あっアルヴィン!!!おっおは、おははっ…」
「あはは。どうしたの?そんなに慌てて。」
「そっそりゃ……だ、だって……」
や、やだ!!こんなに早く来るなんて!!
……なんだかアルヴィンの顔、まともに見らんないよ……顔も熱くなってくるし……
「ふふふ。嬉しいな~♪やっとネゥトが僕を異性として見てくれるようになったんだね。」
「なっ何よそれ~!!私はもともと……」
……と言いかけて、確かにちゃんと一人の男性としては見てなかったかもしれないと思った。
だって……私には……
やっぱり、これってフタマタになるのかな……


neuto57【第57話】
仕事終了の合図を待たずしてアルヴィンは仕事を切り上げてウルグを出ようとしていた。
「あれ?アルヴィンもう上がるの?」
「うん。今週と来週は夕食当番だから買い物行かないとね。じゃ、ネゥトまたね!」
そういうとアルヴィンは早々にリムウルグを去って行った。
「な、なによ!!付き合い初めたばかりの恋人残してちょっと冷たいんじゃない?」
今までだったら終了時間までおしゃべりしながら釣りをして、どっちがたくさん釣れるか競争したりした。
収穫物を物色したり、お互い別れる道まで一緒に歩いた。
「なのになんで付き合い初めた途端に先に帰っちゃうのよ~!!」
ぶちぶち文句を言いながら帰り道を歩いていると、後ろからまたあの集団が押し寄せて来た。
「げっ!!!忘れてた!!!!!」
気が付いた時にはもう遅く、私は男の集団に囲まれてしまった。
「だ~から遊びには行かないってば!!!」
……と、その集団の中から聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「その声……アルヴィン!?」
「ネ、ネゥト~~!!!」
私は周りを押しのけてアルヴィンの元へ行く。
「どっどうしたの?買い物に行ったんじゃなかったの?」
「うん。だけど明日になる前に会いたかったから…」
「そ…そう……///」
アルヴィンにそう言われて、自分が寂しがってたことに初めて気が付いた。
「明日デートしよう」
「うん。大通り南で待ち合わせね」
心が温かく満たされてくのを感じた。


neuto58【第58話】
14日。今日はアルヴィンと恋人になっての初めてのデートの日。
今日こそは遅れないように早起きして、しっかり身なりも整えて家を後にした。
これで今日はアルヴィンより先に着くはず!!………と思いきや、大通りに着くとそこにはすでにアルヴィンの姿があった。
「アルヴィン~~~!!!」
「…おはよう、ネゥト!!」
「な、なんで?私万全に家出て来たのに……アルヴィン早過ぎよ~!!」
「ごめんごめん。妙に早く目が覚めちゃって……」
「べ、別に謝ることじゃないけどさ……い、行こっか?」
恋人として二人で歩くのは今一慣れないな……昨日みたいに、まともに顔見れないし……
………と、ふいにゴタらしき人影を見かけた。
ど、どどどどうしよう!!こっこんな所見られたら……!!!
浮気者って怒鳴られるかもしれない……それに、アルヴィンとも気まずくなったりするかもしれない……
変な脂汗が一気に全身から湧き出て来た。
「どうしたの?ネゥト。顔色悪いよ。具合でも悪い?」
「う、ううん。大丈夫…」
やっぱり、こんなのいけないよ。ゴタという恋人がいながら、アルヴィンと……
なんの決着も…付いてないのに……


neuto59【第59話】
やっぱりアルヴィンとは付き合えないよ……
せめて、ゴタと別れない限りは……
「ネゥト。手つないでもいい?」
「へっ?」
そういうとアルヴィンはすっと左手を私に差し出した。
「う……うん…」
あまりにも唐突なアルヴィンの言葉に、私は何も考えられずにうなずいてしまった。
アルヴィンはすっと私の右手をとってキュっとにぎってきた。
その右手からアルヴィンの体温が伝わって……まるで気持ちまで一緒に流れてくるような、そんな感じがした。
ゆっくり見上げると、そこにはアルヴィンの優しい笑顔があった。何を話すわけじゃなかったけど、でも………
あたしは確かに幸せに包まれていた。
もう、色々考えるのはやめよう。
あの日、ゴタは私の手を拒否した。そして今、あたしの手を握ってるのはアルヴィン。だったら……それでいいじゃない。
このまま、アルヴィンを好きになろう。惹かれてる自分を受け入れよう。
「しっかり握って……離さないでね……」


neuto60【第60話】
アルヴィンが送ってくれると言うから、家に着くまでの距離を手をつないだまま歩いていた。
相変わらず顔の紅潮は引かないんだけど、でもあたしはアルヴィンの顔を見ながら歩いた。どうでもいいことを二人で話して笑って。家に着くのは本当にあっという間だった。
「着いたね。」
「うん。……じゃ、またね…」
なんとなく寂しい感じがしたけど、離さなきゃいけない。仕方ないことなんだけどね……
ところがアルヴィンが一向に力を緩めようとしない。
「……?アルヴィン……手…」
「離さないって言った。…覚えてる?僕達が付き合う前のことだよ。」
「えっ!!!で、でででも繋いだままって…そ、そりゃ嬉しいかもしれないけどっでもっせ、生活するのに困るし!!そっそれに…」
「ははは、冗談だよ。でも嬉しいんだ?」
「なっ!!!///じょ、冗談でそゆこと言わないでよ!!もういい!!すぐ離す!!!」
「ご、ごめん~!!もうちょっと!!つないでいようよ。ね?仕事場まで一緒に行こう?」
アルヴィンにからかわれたことはすっごく腹が立ったけど、惚れた弱味だ。ちくしょーー!!
「……仕事場まで……だけだからね」
仕事場までは遠いはずなのに、やっぱりあっという間に到着。ずっとつながれてた手を離した。
右手がスースーする。なんか、体の一部をなくしたみたいに変な感じがした。
そんな私の様子を見てたのか、アルヴィンが後ろから小突いて来た。
「そんなに手を見つめない!」
そう言ったアルヴィンの顔が真っ赤だったから、あたしは笑みが込み上げてきた。

【1代目ネゥト】51~55話

neuto51【第51話】
12日。
日付けが変わっても空が明るくなり始めても、一向に眠れる気配はなく、とうとう朝を迎えてしまった。
だって…ねぇ?
今日はなぜかアルヴィンと二人で出かける約束をしてしまった。
私は冗談のつもりだったのよ?なんだか重い空気を明るくしようと思ってただけだし、ゴタにひどいこと言われたからって浮気してあてつけようとか思ってもいない。だってそんなことしたって空しいだけだし
………まあそれは置いといて。
友だち同士とはいえアルヴィンは男性なわけで、二人で出かけるだなんて……そんなこと………
第一アルヴィンだってどういうつもりで今日は……
そんなことをブツブツと考えていたら、一睡もできなかった。
もう朝だっていうのに………
ん……?…朝……?
「やっば~~い!!何も用意できてないよ~~~!!!これじゃ遅刻しちゃう~~~!!!!!!」
私は急いで身支度を始めた。


neuto52【第52話】
身支度の最終チェックもそこそこ、私は家を飛び出した。
ただでさえ寝不足でお肌の調子も最悪なのに、メイクもおろそかで、しかも遅刻するだなんて!!!!!
大通り南に着くと、案の定アルヴィンはすでに待っていた。
「あ、アルヴィン~~~~!!!!!」
「!……おはようネゥト。急いで来たの?そんな息きらして……」
「ご、ごめんアルヴィン~~!!!私ってばなんだか全然寝られなくて……しかも遅くてぐちゃぐちゃだし……」
「いいよ。来てくれただけで嬉しいから。」
「良くないよ!!!……だってさ、肌もボロボロだし、髪だってイマイチだし、一緒に歩くアルヴィンに申し訳なくて……う~~」
アルヴィンを見たら本当に涙まで出そうになってきた。だってアルヴィンはきちんとした服装してるし、髪だってちゃんと整えられてる。時間だって余裕を持って出て来たんだろうと思う。なのに……
「大丈夫。ネゥトは今日は特に可愛いよ。」
「嘘つけ~~!!なぐさめなんていらねぇやい!!」
「はっはっは!!可愛い可愛い。ほら行こう」
そう言って私たちは歩き出した。


neuto53【第53話】
それにしても、なんでアルヴィンは私の冗談の誘いをOKしたんだろ?
聞いてみようかな?…でも、なんだかちょっと恐い気がする。
なんでかわからないけど……
「ネゥトはさ……」
「ヘっ……?」
アルヴィンが急にしゃべりだしたから、私は思わず声が裏返ってしまった。
「僕と一緒にいて楽しい?」
「え……?何?急に……?」
「……僕はね、いつもネゥトと一緒にいて楽しいよ。こんなに会話がはずむ女の子と出会ったのは初めてじゃないかとも思った。」
「そ、そうね。私もアルヴィンとすごく気が合うなって思う。」
「そう?それじゃ僕だけが思ってたわけじゃなかったんだ、良かった。」
………アルヴィンは一体何が言いたいの……?
それが言いたかったの……?
「ネゥトといると、あまりにも楽しくて、もっともっと一緒にいたいなって思うんだ。ずっと…一緒にいられたらいいなって……」


neuto54【第54話】
「アルヴィン……や、やだ。改めてそんなこと言われるとなんだか照れるじゃないの~…」
今までアルヴィンと一緒にいて、感じたことのない緊迫感に私はなんだかいたままれない気持ちになった。
さっきから心臓がバクバクいってて、呼吸もうまくできない。
「ネゥト…」
恐る恐るアルヴィンの方を向くと、笑顔が消え、真剣なまなざしをしていた。
「初めて会った時、かなり印象的だったけど、もし、ゴタさんより早く出会えてたらって……何度も思った。」
「………っ」
「だけど、やっぱりネゥトには笑顔でいて欲しかったから僕は相談役をしてて……でも、ずっとモヤモヤしてて……」
「………」
「……僕、ネゥトが好きなんだ。恋人になって欲しい。」
その言葉を聞いたとたん、私は心臓が胸を打ち破って出てきそうになった。


neuto55【第55話】
「あ………」
頭の中まで心臓の鼓動が伝わってきたのか…?ドクドク、ワンワンいっている。
私……私………は……?
アルヴィンのこと……?
ゴタは……?
私にとってのこの二人って……どんな存在なんだろう……?
考えようとしても、頭がガンガンしてうまく整理ができない。
ーーーもっともっと一緒にいたいーーー
さっきアルヴィンの言った言葉が急に思い出された。
もし、ここでアルヴィンの告白を断ってしまったら………もう二度と友だちにも戻れない……?
プルトに移住してきて、これからもここで生活していくのに、アルヴィンがいなくなってしまったら……私は……?
不安な気持ちも、楽しさも嬉しさも、誰に打ち明けたらいいの……?
……そんなの………!!
「…………っだ」
「……え?何?ネゥト」
「もし……ずっと一緒にいたいと想う気持ちを……好きと言うなら……私はアルヴィンが好きなんだと思う。」
そして私は、アルヴィンの恋人になった。

【1代目ネゥト】46~50話

neuto46【第46話】
やだ……なんでこう、浜に来るとアルヴィンに会うのかな?
偶然もここまで来ると運命まで感じそうよ……なんて。
しばらくするとアルヴィンは私に気が付いたようだった。その表情はどこか青みがかかっているような……?
「どうしたんだよネゥト!!そんなに泣いて……!」
…泣いて……?
そう言われて自分の頬にふれると指先にしずくがついた。
やだ……私ったら…いつの間に……?
「……ゴタさんと何かあったの?」
「…………」
ゴタと………
その名前を聞いたら、また黒い渦が胸の中で音を立て始めた。
「………ねぇ……アルヴィン……?」
「なに?」
「あたしって……つまんない女なのかな………?」
そして、あたしは大声をあげて泣き始めた。


neuto47【第47話】
どれくらい泣いていたのだろう。あたりは少し暗くなり始めていた。
横を見ると、少し心配そうな顔でアルヴィンが私を見つめていた。
「……少しはすっきりした?」
泣き止んだ私に気が付いたのか、アルヴィンはささやくように聞いて来た。
「うん……ごめん。ついててくれて…ありがと……」
二人の間に少しの沈黙が流れた。
「少なくとも……ボクはさ」
「……え?」
「少なくともボクはネゥトと一緒にいて楽しいよ……ボクじゃ不満かもしれないけど」
「ん~ん。そんなことない。そう言ってくれて…嬉しいよ」
本当にそう思った。冷えていた気持ちが暖かくなってくる。
………と、ふとアルヴィンが私の頭をずっと撫でてくれてたことに気が付いた。


neuto48【第48話】
「きゃっ!!ごっごめんアルヴィン!!」
私はあせって頭の上にあったアルヴィンの手をどかした。
「本当にごめん!!私が泣きついたばっかりに!!彼女さんに見られたりしてないよね?あ~~もう!どうしよぅっ!!」
私はあせって変な汗が吹き出てきた。
「………大丈夫だよ。そんなこと。」
「良くないよ!!アルヴィンってばそんないい加減な人だっけ?もう!」
「どうせ……もう半年近く会話さえも交わしてないし」
「………うまくいってないの……?」
「……まあね」
そういえば、アルヴィンがデートをしてるとこなんて見たことない。それどころか女の子と会話してるところでさえ………
「………じゃあ……寂しいね……」
「……まあね」
アルヴィンとの間に変に緊迫したような空気があった。


neuto49【第49話】
……アルヴィンも彼女とうまくいってないんだ……
そう思うとなんだか胸の中が少し疼くような感じがして、『アルヴィンを元気にしてあげたい』…って気持ちが私を焦らせた。
でも……どうしたら………?
「そっそうだ!!寂しいもん同士どっか遊びいっちゃう?ぱ~~っと過ごして気分スッキリvv」
「…………」
(ど、どうしよう!!アルヴィンノーリアクションだよ!!冗談が過ぎちゃったのかな?(汗))
「なんてね★じょ~だ……」
「いいよ。明日行こう。」
アルヴィンは私の言葉を遮るように答えた。
「明日、大通り南で待ち合わせよう」
「えっあっちょっちょっと!アルヴィン!!今のはじょう……」
「約束だからね!」
アルヴィンは私のフォローも聞かずに去って行ってしまった。
「………」
え、えええぇ~~~!!!
ちょっとアルヴィン!!人の話ちゃんと聞かないで去ってかないでよぅ!!
ああああああもう、今日の今日でどうしよう~~~!!
さっきとはまた違う変な汗が吹き出てきた。


neuto50【第50話】
仕事場に行ってまたアルヴィンと会うのも気まずかったので、私は家に帰って来ていた。
あ~ああ~~ああ~~~もう!!!なんでこんなことになってしまったの!?…って私が原因なんだけどさぁ……
だって、私とアルヴィンは友達よ?そりゃね、格好いいとか優しいとか、気が合うとか、そういう風に思うけどさ……だからって二人で改めて出かけるのってどうよ?失恋遠足?傷のなめ合い?
アルヴィンも何を考えてるのよ………
「第一、今日の明日でさ……」
そう口に出して、今日、ゴタに「つまらない」と言われたことを思い出した。でも、さっきのような胸の痛みはほとんどなかった。思いっきり泣いたのが良かったのかな?それとも……
「それよりも!!明日どうすんのよ!!」
すっぽかすわけにもいかないし出かける準備はしとかないと!!
ええ~~っと何からやればいいんだっけ?
そうして混乱の夜は深けていった。

【1代目ネゥト】41~45話

neuto41【第41話】
一晩寝て、さあ新たな気持ちで今日を迎えよう!とは思ったものの、足が重い。
「頭切り替えて行こうって昨日決めたんだし!!」
とわざとらしく口に出してみた。でも2、3秒後にはため息が出てくる。
「私ってこんなグズグズした人間だったんだなぁ・・・」
ぶつぶつと独り言をつぶやき、のろのろと歩いていたものの、大通り南まではそんなに時間がかからなかった。そこにキョロキョロとしているゴタの姿を見つけ、さすがにお腹に力を入れた。
『今日は楽しい一日にするんだ!!』
「おし!・・・おーーーいゴターー!」
「あ!おはようネゥト」


neuto42【第42話】
「タラの港に行こうか!」
「うん楽しみだね」
よ~し!ここは何か楽しい話題を・・・!!
・・・と言っても楽しいことか~。最近楽しかった事といえば・・・
「私ね、この間初めてワタワタを捕ったのよ!!」
「え?ワタワタを?へ~」
「私、ここに来るまで一度も釣りってやったことなくてさ、初めは適当に見よう見まねで釣ってたんだけどね。この間友達になった人にコツ教えてもらったら、これが面白いように大物が捕れるようになってさ~」
あの時は嬉しかったな~!アルヴィンってば教え方上手いしvv
そうよ。初めはゴタに教えてもらおうと思ってたんだよね。でも今だに仕事場でゴタの姿を見た事はない。
やっぱり恋人が怠慢ってのも嫌だし、私の話を聞いて仕事に興味持ってくれるといいんだけどな。


neuto43【第43話】
「ゴタは仕事嫌いって言ってたよね?でも釣りってさ、以外と楽しいよ!遊び感覚でできるっていうか・・・」
「ん~~」
「そう!!初めは釣りのこともゴタに習いたかったのよ~!でもリムの漁場で見かけなかったから寂しかったんだから~」
「・・・・・・だろ」
ゴタは低い声で何かつぶやいた。
「え?何?」
「ボクは仕事が嫌いだって言ってるだろ?なのになんでさっきから釣りの話ばかりするのさ。」
「え・・・あ・・・と・・」
ゴタは大きくため息を吐いて、向こうを向いてしまった。そして、自分の耳を疑いたくなるような一言を呟いた。
「君といてもつまんない」


neuto44【第44話】
ーーーーーー何を言われたのか私はしばらく理解が出来なかった。
ただ、一つわかったのは、私の左手がゴタの頬を叩いていたことだった。
手がじんじんしている。でも痛みは感じない。
体中がぎしぎし言ってるような・・・そんな気がする。
なんでこんな事になったんだろう?今日は気を取り直して楽しく過ごすつもりだった。
そりゃあ、確かに尻込みしてたけど。
でも、でも・・・
気が付くといつの間にかゴタの姿はそこにはなかった。


neuto45【第45話】
「そうだ・・・浜に・・行こう・・・」
真っ白になった頭と体。
いつも嫌な事があったらバスの浜をくたくたになるまで走ったら・・・スッキリしたんだ。
だから、早く浜に行かなくちゃ。
「あれ・・・なんだろ・・・」
重い。
いつも軽快に動作する自分の体が重くて仕方がない。
「・・・は・・や・・・くぅ・・・・」
かすれた叫びのような、呻きのような声で呟く。
重く、重く。
白くなった体をひきづって浜へ向かう。
その入り口に立つと、浜を走る足音が聞こえた。
その姿を見た途端。緊張していた体中のすべてが流れていくような、そんな気がした。
「アルヴィン・・・」

【1代目ネゥト】36~40話

neuto36【第36話】
「・・・というわけなのよ!!あったまこない?」
「まあまあ、ネゥト落ち着いて・・・」
「これが落ち着いていられるわけないでしょ!!私はね、自分で言うのも何だけど短気なのよ!!」
「クスッ・・・本当に自分で言うようなことじゃないね。まあ、わかりやすいけど。」
「茶化さないでよ、アルヴィン!!」
私はアルヴィンに会った途端、さっきの出来事を話していた。ムシャクシャした気持ちは話すことによって少しスッキリもしてきていたのだけど、やっぱり思い返すと頭に来る。
「男のくせに恥ずかしいとか言ってんのが気に食わないのよね!」
「・・・ん~~その男のくせにってのがどうかと思うんだけど・・・」
「何よ!!なんか文句でもあるの?アルヴィン!!」


neuto37【第37話】
「なんていうか、『恥ずかしい』って感情には男も女もないんじゃないのかな?」
「何よぉそれ・・・」
アルヴィンはちょっとだけ真剣な顔をして話し始めた。
「男だから恥ずかしくないってことはないだろう?男だって恥ずかしい時は恥ずかしいし、勇気を出す時は出す。女性だって同様に。人間としてそれは当たり前の感情だと思うんだ。だからね、ゴタさんが手を繋ぐことを躊躇したとしても、それはゴタさんの人格なんだから、それをネゥトは受け止めるべきなんじゃない?恋人としてさ。」
「それはそうかもしれないけどさ・・・」
もちろん、男の人だから恥ずかしいと思わないなんてことまでは思わないけどさ。
「もっとも、ボクだったら好きな子から『手を繋ぎたい』なんて言われたら絶対に離さないけどね」
「何よそれ!!矛盾してるじゃない!!」


neuto38【第38話】
「いや、それはあくまでもボクの考え方だからさ」
「も~~!!・・・そういえばアルヴィン、今日は訓練?なんか良く浜にいるよね?人のこと言えないけどさ」
「ああ、まあね。ボク浜で走るのが好きなんだ。訓練としてもよく来るんだけど、モヤモヤしてる時に気晴らしに来ることもあるよ。」
「へ~~奇遇ね!!私もこのムカツキをスッキリさせるために走りに来たのよ。アルヴィンがいたから話し込んじゃったけど。で、今日はどっち?訓練?うさ晴らし?」
「・・・さぁてね。どっちだろう?」
「んん?その言い方を見ると何かあったわね?ん?お姉さんに話してみ?」
「お姉さんって言ったってネゥトはボクより4つも年下じゃないか~!」
「何よ!!いいじゃない!それに顔だけだったらアルヴィンの方が4つ以上年上じゃない!!」
「悪かったね、ふけ顔で・・・」
「あら、気にしてた?でもきっとアルヴィンおヒゲとか生やしたら似合うと思うよ。ダンディな感じになりそう!」
「そうかな・・・?」


neuto39【第39話】
浜でアルヴィンと話し込んでいたらすでにお昼過ぎになっていた。そして家までの距離をのんびりと歩きながら、浜で、アルヴィンに言われたことを思い出していた。
ーー恥ずかしいという感情に男も女もないんじゃないかな?ーー
それはわかるよ。恥ずかしいって感情がない人間なんて存在しないと思うし。
ーーそれはゴタさんの人格なんだから、それをネゥトは受け止めるべきなんじゃない?恋人としてーー
そうなのかな?ゴタが恥ずかしいといって私の差し出した手を拒否した。私と手をつなぐことの嬉しさより、恥ずかしさの方が上だってことでしょ?それはゴタの人格で、それは恋人として受け止めなくちゃいけないの?それが恋人ってことなの?
「なんだかよく分からなくなってきちゃったな・・・」
私はだんだんと暗くなっていく空を眺めながら歩いていた。


neuto40【第40話】
ふと、後ろから呼び止められる。
「ゴタ・・・」
「ネゥト、明日デートしよう」
ゴタは何事もなかったかのような顔をしている。
やっぱり私の考えすぎなのかな・・・?
「いいよ。大通り南で待ち合わせね」
「約束だからね!!」
そう言ってゴタは去って行く。
今日のことはゴタにとってなんでもないことだったのかな?それとも明日、今日のことを挽回するつもりでいるとか?
「あ~~~!!!もう考え込むのやめた!!」
「挽回するなら挽回してもらおうじゃない!!よ~~く考えれば、たかが『恥ずかしい』って一言言われただけじゃない!!」
本当はまだわだかまりはあるけど。でも、まだ始まったばかりの私たち。きっと誤解やわだかまりはこれから解いてゆけるんだと思う。・・・そう思うことにしよう。
そうすれば、きっと明日も楽しい日になると思うから・・・

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